ノーリフティングケアを取り巻く現状
日本ではまだノーリフティングケアが浸透していません。人の手による介護へのこだわりやコスト、時間の問題など、ノーリフティングケアを導入できない理由はさまざまです。現場の声を聞いてみると抱えない介護に対して好意的な声ばかりですが、導入が難しいと感じている人は少なくないのが現状です。ノーリフティングケアの導入にあたり、全国に先駆けてさまざまな取り組みを実施している高知県の事例や行政の対応などが参考になります。
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日本ではノーリフティングケアがあまり浸透していません。そこには日本ならではの理由があります。日本の介護職は待遇が悪く、介護の面では明らかに後進国です。人の手による介護への過度なこだわりからノーリフティングケアを避けたがる傾向もあります。また深刻な人材不足から、時間がなくて導入できないといった声もあります。
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ノーリフティングケアが介護者と利用者の双方にとって良いものであることは、現場で働く多くの介護者が感じています。しかし、ほとんどの介護現場において取り入れられないままなのは、なぜでしょうか。実際にノーリフティングケアを取り入れている人、また取り入れたいが実現できていない現場の声を聞き、現状を探ってみましょう。
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高知県では介護人材不足を解消するためにノーリフティングケアの導入に力を注いできました。全国初の試みということもあり、問題点はすぐに改善するなどの試行錯誤を繰り返しながら現在に至っています。この取り組みによりノーリフティングケアを導入する施設は多くなり、介護者と利用者の双方にとって良い結果となっています。
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介護事業所がノーリフティングケアを導入することは、腰痛に悩む介護者を助け離職を防ぐことにつながります。十分な人材を確保することは、介護サービスの質を高めることにもつながります。今後予想されている介護業界の危機に対応するためにも、行政は補助金や助成金を用意し、ノーリフティングケアを導入しやすい環境作りに尽力しています。